投資意思決定の重要な要素

コモディティ・アナリシス

2025/05/27 09:30

◎〔アナリストの目〕WTI、55~65ドルレンジの調整相場続く=吉中晋吾氏

ニューヨーク原油(WTI)は、材料難の中、方向感を欠く値動きが続いている。 トップサイドに関しては、石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成するOPECプラスがさらなる増産に踏み切る可能性が重しとなっているが、積極的な売りに移す判断の根拠には至っていない。ダウンサイドに関しても、テクニカル主導の買い戻し以外、一段高を期待させるような理論的な数値は示されていない。 米国債の「AAA(トリプルA)」格付け剥奪、また財政不安を背景とした米国債入札の不調で市場の不透明感が広がる中、WTIも他市場同様、調整の局面にある。 足元、55~65ドルレンジの調整相場が続くものと考える。

◇投機勢、小幅な調整 米商品先物取引委員会(CFTC)の投機ポジション(以下オプション含む)は、直近では大口ネットロングが約1万枚減と小幅な調整となっている。トレーダー数は大幅な買方減・売方増となっているが、これらは、建玉明細報告集計週が直近高に接していたことが背景にある。基本、上値の重いセンチメントであり、55~65ドルレンジの混戦状態に変化はない。直近の建玉・トレーダー動向からも確認できる通り、トレーダーのコンセンサスは65ドル台手前での転売、55ドル台あたりでの買い戻し、または新規買いで一致している。可もなく不可もない現状は、市場参加者にとって動機を感じづらい予定調和な構図となっている。

市場参加者の動機薄の現状に関して、先物曲線のコンタンゴ化、またそれに関連する形で、現物の受け渡しが行われる前に期近を売却し、期先に乗り換えるときに発生する損益であるロール・イールドが十分な逆ざやでない状況にあることが考えられる。 ロール・イールドと先物曲線の形状は、市場参加者にとって投資意思決定の重要な要素であり、動機となり得る条件が満たされない状況下においては、必然的に参加者の手口も消極的になる傾向にある。(了)

※吉中 晋吾(よしなか・しんご)氏 バーグインベスト代表 https://burginvest.co.jp/ 【無断転載をお断りします。時事通信社】 [/20250527CCC0028]

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