吉中晋吾・バーグインベスト代表=ニューヨーク金先物相場は当面、強弱両材料が交錯する中、上下のいずれの方向にも動きづらい。25日から2日間の日程で開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)までの取引に限れば、中心限月は節目の1200ドル前後で推移し、レンジは1180~1210ドルと予想する。 来週を含めた向こう1~2カ月は、1160ドル程度まで値下がりする恐れがある。ただ、下落局面では中国やインドなど実需の買いが入り、相場が押し上げられると投機筋のショートカバー、次いで他のトレーダーらの追随買いが見込まれる。こうした動きが相場の底堅さにつながる。NY金先物の投機筋の売りポジションはかなり膨らんでいるが、徐々に買い戻される方向にあるとみている。 一方、米中貿易摩擦の激化に伴い、コモディティー(商品)需要に悪影響が出るとの懸念が根強い。米国の追加利上げ観測に加え、トルコやアルゼンチン、南アフリカなど新興国や資源国の通貨安、経済の先行きに対する不安にNY金相場は圧迫されている。 8月の米雇用統計が7日(日本時間午後9時半)に発表される。内容次第で金融市場が一時的に大きく動く可能性はあるが、NY金相場のトレンドに影響を与えることはないだろう。(了)
出典:時事通信社
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