2021/03/18 10:45
◎〔NY金分析情報〕ドル安背景に堅調=米長期金利高止まりで上値は重い
ニューヨーク金先物相場は堅調。日本時間18日午前10時半現在、中心限月4月きりは1オンス=1751ドル(17日の清算値は1727.10ドル)近辺の出合い。米連邦公開市場委員会(FOMC)の決定を受け、対ユーロでドル安が進み、ドル建てのNY金に対する割安感から買い進まれ、約半月ぶりに1750ドル台を回復している。ただ、米長期金利が上昇している上、株式市場への投資資金流入も続いているため、上値は依然重い。
FOMCは、事実上のゼロ金利と量的緩和を維持し、会合後に会見したパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長も、テーパリング(資産購入規模の縮小)を明確に否定した。株価や長期金利の上昇を受け、市場の一部では、金融引き締めが示唆される可能性も指摘されていたが、ハト派なFRBの姿勢に楽観ムードが広がり、米株価が上昇。ユーロやポンド、円など主要通貨に対しドル安が進み、ドル建ての金相場を支えた。
バーグインベストの吉中晋吾代表取締役は「(FOMCは)金を積極的に買い上げるほどの内容ではなかった。投資資金を株式市場や暗号資産(仮想通貨)に移す動きが続く限り、金の上昇は限定的」と話す。米長期金利の指標の10年債利回りも1.6%台で高止まっており、金利を生まない金にとって逆風の環境に変わりはない。イベント通過後の金相場について、吉中氏は「実質金利をにらみながらの動きが続く」とみている。(了)
出典:時事通信社
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