2025/04/22 10:04
◎〔アナリストの目〕WTI、60~70ドルの調整相場に=吉中晋吾氏
ニューヨーク原油(WTI)は、世界的な貿易摩擦の展開が、今後の経済成長とエネルギー需要に与える影響の見極めの局面にある。 貿易摩擦がもたらした米国資産への打撃や、金融市場におけるキャッシュ化の波も一服、2021年2月上旬以来の安値(55.12ドル)を付けた原油市場も、足元、緩やかなペースの巻き戻しが形成されている。ただ、国際エネルギー機関(IEA)が、貿易摩擦の激化を理由に今年の世界の石油需要見通しを大幅に下方修正したように、原油市場をより厳しい現実に戻す可能性を示す材料も少なくない。 短期予想ではあるが、足元、60~70ドルレンジを中心に調整が続くものと考える。
◇投機勢、関税戦争で方向感欠く 米商品先物取引委員会(CFTC)の投機ポジション(以下オプション含む)は、関税に起因する市場への影響を見極めるため、まちまちのポジション調整となっている。 貿易戦争を背景とした金融市場におけるキャッシュ化の波は原油市場も巻き込み、同市場における前回発表分の取組高は前週比30万枚超減少することとなった。直近のマネージドマネーのポジションはロング増に転じ、価格上昇とシンクロした格好となっているが、参加者のセンチメントを示すトレーダーは売方増となるなど、主要プレーヤーも方向感を欠いた状態にある。
長らく緩やかな逆ざや状態にあった先物曲線と限月間も、中心限月を起点としたキャッシュ化(売り)のあおりを受け、一時、期近主導のコンタンゴを形成することとなった。6カ月内の期近限月に関しては逆ざやを維持しているものの、特に期先限月以降の先物曲線に関しては久々のコンタンゴを形成するなど、先物市場における曲線も大幅なポジション調整が目立った。しばし、米中貿易戦争の影響を背景とした振れ幅の大きい先物曲線の動きが続くものと考えられる。(了)
※吉中 晋吾(よしなか・しんご)氏 バーグインベスト代表 https://burginvest.co.jp/ 【無断転載をお断りします。時事通信社】 [/20250422CCC0040]



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