2025/12/23 09:43 ◎〔アナリストの目〕WTI、55~65ドルのレンジで推移=吉中晋吾氏
12月のニューヨーク原油(WTI)先物相場は、石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなどの非加盟国で構成するOPECプラスの主要8カ国が10月に一段と減産を縮小したことなどを背景に軟調な推移が続いている。米国によるベネズエラに対する石油タンカー封鎖の強化など、地政学的緊張がタイムリーな買いを誘う場面も見られるものの、基本、上値は重い。 当面55~65ドルのレンジ相場に変わりない。
◇反発リスクも警戒
原油市場の上値は重いものの、一部では反発のシナリオも想定される。 足元のOPECプラスの動向は、市場の過度なタイト化を避け、市場シェアと財政均衡を維持するために増産(減産解除)を進めている。しかし、その行動は結果として価格に下押し圧力を与え、同時に生産余力、つまり市場のバッファーを削り、将来のショックに対する市場の脆弱(ぜいじゃく)性を高めている側面もある。 つまり、ロジック的には、供給増が現在の価格抑制圧力を生む一方、予備生産能力減が供給ショック時における価格反発の地合いを形成する関係性が考えられ、市場は急変動リスクを警戒する必要があるとの示唆にもなる。
一方、足元の先物曲線は市場のニュートラルな状態を確認している。短期曲線は足元の地政学的リスクに応じて小幅なバックワーデーション・コンタンゴを形成し、中期、長期においては、いずれの曲線もコンタンゴを拡大している。つまり、10月28日のアナリストの目で示唆した「当面、足元はロシア、ベネズエラといったホットスポットでの供給混乱リスクを要因に小幅なバックワーデーションで調整され、半年先以降は、供給過剰予想を素直に反映したコンタンゴでバランスされる構図が予想される」構図に変わりない。 当面55~65ドルのレンジ相場を維持するものと予想する。(了)
※吉中 晋吾(よしなか・しんご)氏 バーグインベスト代表 https://burginvest.co.jp/ 【無断転載をお断りします。時事通信社】 [/20251223CCC0035]


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