2025/09/30 09:46 ◎〔アナリストの目〕WTI、60~70ドルのレンジで推移=吉中晋吾氏
ニューヨーク原油(WTI)は、米原油在庫の2週続けての減少などを手掛かりに底堅い値動きを展開している。 米エネルギー情報局(EIA)が発表した最新の週間在庫統計によると、原油在庫は前週比60万バレル減の4億1480万バレルで、過去5年間の同時期の平均値よりも約4%少ない水準となった。 足元は在庫データやウクライナ情勢、ロシアの燃料輸出制限などの地政学リスクがタイト感を生み出しているものの、トップサイドは国際エネルギー機関(IEA)が「供給は増加する」との考えを示し、市場では中期供給余剰予想が重しとなっている。 当面、需給ファクターとの綱引きで60~70ドルのレンジ相場が続くことが予想される。
◇先物曲線は短期タイト化
在庫が予想比と5年平均比で減となり、またロシア燃料輸出制限の報を受け、マーケットは供給不足リスクを織り込み、フロント(近月)価格が強含む流れに。結果、先物曲線も短期的にフロント優勢にバックワーデーションがタイト化する局面があった。ただ、上述の中期供給余剰予想を背景に、先物曲線の前後で異なるシグナル(近月はタイト、中長期は緩和見通し)が混在しているのが現状である。
◇投機筋は60ドル台で買いの動き
米商品先物取引委員会(CFTC)の投機ポジション(以下オプション含む)は、上記の流れを踏まえ、60.0ドル台手前ではロング継続となっている。市場参加者間における「60ドル買い」のコンセンサスと、地政学ショックが重なるタイミングではPositionとTraderのロング増が連動する傾向が続いている。ただ、上値も同様に限定されおり、状況によっては65ドル台で利確転売する動きも見られる。 短期は理論どおり「在庫引き締まり+供給混乱からスポット上昇(フロントタイト化)」が観察されたが、中期のIEA中期供給余剰予想など供給増見通しによる上値抑制圧も同時に存在し、今後も価格の乱高下が予想される。中期的には供給側が価格上昇を抑える可能性があるが、「ロシアの燃料輸出制限」など短期ショックは繰り返し発生し得る。(了)
※吉中 晋吾(よしなか・しんご)氏 バーグインベスト代表 https://burginvest.co.jp/ 【無断転載をお断りします。時事通信社】 [/20250930CCC0036]



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