2017/09/20 09:34
◎〔アナリストの目〕NY金、FOMC声明が慎重なら1350ドル台へ=吉中晋吾氏
ニューヨーク金先物は、9月初旬に1360ドル台を付けた以降「有事相場の終わり」を意識した売りが加速し、1300ドルの大台まで押し込まれたが、米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明発表(日本時間21日午前3時)を控え、1310ドル台で慎重な調整を続けている。
北朝鮮関連の材料出尽くし感から、直面するリスクに対する感覚も徐々に緩んではいるが、FOMCの声明と見通しが、今後のNY金の分岐点になることは間違いない。仮に見通しが慎重な結果になった場合は、再び1350ドル台へ切り返し、逆にタカ派的な結果となれば1300ドルを割り込むと予想する。
注目すべきポイントは①膨れ上がった投機筋のポジション②FOMCの声明と見通しになる。
①については、直近の米商品先物取引委員会(CFTC)建玉報告によると、900トンに達したことが確認されており、さすがに容量的にもガス抜きが必要となっている状況になっている。直近の高値1360ドル台からは約50ドル近く調整を済ませているが、実際のポジションが整理されたかどうかが重要であり、今後、ロングが調整されているか否かを注意深く追跡していく必要がある。
②に関しては、言うまでもなく声明文とドットチャートの中身に関心が集まる。金利見通しで、12月利上げ支持が前回6月を上回れば、NY金にとってはもう一段下げの要因となる。しかし、留意すべきポイントは、相場には12月利上げを想定した動きがある程度織り込まれており、仮にタカ派的な内容であったとしても「突っ込み」の売買には注意が必要だ。
以上、二つのポイントを並べると、NY金にとっては「下押し」が優勢であるが、市場のセンチメントとしては「ひとまずのガス抜きを求めている」感もあり、相場が下がった場面では逆に押し目を狙う動きが見られるかもしれない。
出典:時事通信社
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