2021年 1月29日11:22 am
◎〔NY金分析情報〕軟調=リスク回避のドル買い響く
ニューヨーク金先物相場は軟調。日本時間28日午前10時20分現在、中心限月4月きりは1オンス=1840ドル近辺の出合い。前日のJPX市場の終了時点の水準(1852ドル)を下回っている。ニューヨーク市場で株価が急落し、リスク回避ムードが高まる中、外為市場で全般にドルが買われたため、ドル建ての金に対する割高感が強まった。市場関係者は、株式市場の動揺がいつ収まるかを注視している。
27日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が発表した金融政策は現状維持で、新鮮味を欠いた。パウエルFRB議長は会見で「資産購入の縮小議論は時期尚早」と発言するなど、一部で浮上していたテーパリング観測を打ち消す姿勢を示したが、これも市場予想の範囲で、投資家の金買いを促す材料にはならなかった。
このところ上値が重かったNYダウ工業株30種平均は急落、下げ幅は600ドルを超えた。時間外のダウ先物も軟調で、節目の3万ドルをめぐる攻防がこの先予想される。新型コロナウイルスワクチンの配布遅れや、バイデン政権の総額1兆9000億ドルの包括対策案が、野党共和党の反対で難航するリスクが警戒され、センチメントを悪化させた。
バーグインベストの吉中晋吾代表は「株式には売られやすいサインが出ており、投資家は手持ちの資産を現金に換えている」と指摘。一方で「安くなった株を下値で買い拾いたいというムードも強く、(これまでの上昇に対する)健全な調整となるだろう」と見通す。
金は、ドル高が圧迫する一方、米長期金利は低下するなど、強弱材料が交錯している。吉中氏は「1750~1950ドルのレンジの中心である1850ドルを意識して、往来相場が続く」と観測している。(了)
出典:時事通信社
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