◎〔東京金分析情報〕貴金属ファンドへの資金流入

コモディティ・アナリシス

◎〔東京金分析情報〕頭重い=ドル建てもう一段高も円建ては「上がりにくい」

13日午前の東京金は頭重い。中心限月2020年2月先ぎりは午前9時半現在、1グラム=5100円台で推移している。先ぎり継続足は8日、5128円まで上昇し、上場来高値を塗り替えた。ただ、先週末は5126円で上値を抑えられ、この日も水準を切り下げている。ドル建てのニューヨーク金先物相場は堅調さを維持しているものの、為替の円高・ドル安が重しになっている。

吉中晋吾・バーグインベスト代表は「投資家らがリスク回避に動く場合、円や金、米国債、スイス・フランが買われやすい」と指摘。その上で「中でも(買いを)受け入れるキャパシティーが大きいのは円。ドル建て金はもう一段高が予想されるが、円建て金は(円高の影響で)上がりにくい」と分析する。バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ(BAML)が公表したEPFRのデータに基づく7日までの週間投資動向によると、貿易摩擦の激化を背景に、貴金属ファンドへの資金流入が過去4番目の高水準になったという。同ファンドには23億ドルが流入。過去10週間で金ファンドには110億ドルが流入し、英国の欧州連合(EU)離脱が決定した2016年以来、最大だった。

中国が先週、1ドル=7元を超える元安水準を容認したことで、米中貿易摩擦の激化に伴う世界経済の減速懸念が広がっている。安全資産のドル建て金は当面、投資人気が高まるとみられるが、東京市場は引き続き円相場の上昇が重しになりそうだ。(了)
出典:時事通信社
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