◎〔週間見通し〕NY金、リスク選好

コモディティ・アナリシス


2021/04/16 12:35
◎〔週間見通し〕NY金、緩やかな上昇へ=バーグインベスト・吉中氏
 吉中晋吾・バーグインベスト代表=来週のニューヨーク金先物相場は、長期金利の低下やドル安を背景に、緩やかな上昇が続くと予想する。予想レンジは1オンス=1700~1800ドル。

 米長期金利の指標である10年債利回りは1.5%台まで低下し、金利を生まない金相場を支えている。一方で米経済指標の好調から投資家がリスク選好を強めた結果、外為市場ではユーロなどを買ってドルを売る動きが広がり、ドル建て金相場には割安感が出ている。

 テクニカル分析上は、3月に1670ドル付近で形成したダブルボトムが非常に強い下値抵抗として意識されている。そうした中で、投機筋は先物市場での買い持ちを増やしつつある。

 今後も米長期金利の動向を注視する必要があるが、1.4%台まで低下するという前提に立てば、1800ドルを目指し、仮に下げても1700ドル付近でサポートされるだろう。

 もっとも、上昇ペースは緩やかか。第一の理由は、暗号資産(仮想通貨)への投資家の関心の高まりだ。米暗号資産交換所最大手のコインベースが今週、米ナスダック市場に上場して関心を集めたように、投資マネーは金よりも暗号資産に向いている。

 第二に、市場全体がリスク選好に傾いている中では、投資家の関心は銅や白金、レアメタルなどにいきやすい。金の優先順位は、それらの商品よりも後ろにならざるを得ないとみている。(了)
出典:時事通信社
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