◎〔アナリストの目〕NY金、1300ドル超えは税制改革の内容次第

コモディティ・アナリシス

2017/11/29 07:46

◎〔アナリストの目〕NY金、1300ドル超えは税制改革の内容次第=吉中晋吾氏

 ニューヨーク金先物相場は、レンジ(1270~1300ドル)を維持。1300ドル超えは税制改革の内容次第とみる。

 注目された次期米連邦準備制度理事会(FRB)議長人事はパウエル氏で落ち着き、2月に任期を終えるイエレン氏の路線を踏襲し、安定飛行してくれるとの思惑から、市場参加者は特別な反応を示すまでもなく、ノーリアクションでイベントが通過した。 NY金はレンジ相場で推移しているが、北朝鮮情勢、上海株式市場のリスク回避、そして、いまひとつ頭の重い状況から抜け出せないドル・米長期金利を背景に、傾向としては段階的に価格を切り上げている。現状、 1270ドル割れでしっかりと拾われ、1300ドルでは利益確定で売られ、レンジを抜け出せないでいる。ただ、総合的に足元の堅さは確認できており、税制改革案関連でインパクトのある材料がそろえば1300ドルを上抜き、一段高
の可能性もあると予想する。

 直近のポイントとしては、内部要因(CFTC建玉)と金上場投資信託
(ETF)残高、イールド・カーブ(金利曲線)の推移になる。 CFTC建玉については、21日付のデータでは投機筋のネットロングが前週
の694トンから713トンへ若干増加しているが、一方でNY金ETF残高は、この期間(~21日)変動がなかった。感謝祭で主要プレーヤーが不在だった上、税制改革の行方を警戒した動きも重なり、投資家の様子見姿勢がうかがえる。 ただ、投機筋の取組高に対するネット・ポジション(ロング)の比率を勘案すると、幾分熱を帯びた状況にあり、ネットロングが増加し続ける中で、価格も高値圏にある場合は「内部のガス抜き(価格下落)」に注意する必要がありそうだ。

 イールド・カーブは、米長短金利の曲線がフラット化している状況に留意したい。金にとっては、長期目線では下支えのポジティブな材料であるが、短期金利の上昇速度次第では金の頭を押さえる要因にもなるため「目線」のバランスには注意が必要だ。

 先物とETFの参加者の目線(資金の性質)が異なる様に、「足元か中長期か」を冷静に判断したい。ちなみに、現状レンジは、ドルインデックスと米長期金利先物をフォローする傾向に変化はない。
出典:時事通信社
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