◎〔NY金分析情報〕ユーロ高背景にしっかり=米株高や投資多様化で上値重い

コモディティ・アナリシス

2021/04/06 10:20
◎〔NY金分析情報〕ユーロ高背景にしっかり=米株高や投資多様化で上値重い
 ニューヨーク金先物相場はしっかり。日本時間6日午前10時20分現在、中心限月6月きりは1オンス=1735.00ドル台と、NY市場の5日の清算値(1728.80ドル)を上回る水準で推移している。ユーロの上昇に支えられた動きになっているが、米株価の上昇で勢いはつかない。投資対象が多様化する中、インフレヘッジの金買いは盛り上がりを欠いており、市場関係者は上値の重い状態が続くとみる。

 ユーロは5日、米長期金利の低下を背景に上昇し、1ユーロ=1.1820ドル付近と、3月25日以来の高値で推移している。この結果、ドル建ての金相場に割安感が生じ、下値がサポートされている。

 半面、連休明けのニューヨーク株式市場で、ダウ工業株30種平均が史上最高値を更新して終了した。前週末に発表された3月の米雇用統計などの好材料を背景に、市場はリスク選好ムードを強めており、安全資産とされる金には資金が向かいにくいのが実情だ。

 加えて、先行きのインフレリスクを意識した買いも、暗号資産(仮想通貨)など他の投資対象の登場で金以外の選択肢が増えている。代表的なビットコインは6万ドル手前で上値を抑えられているが、有力通貨の一つリップル(XRP)はこの日、約3年ぶりの高値に急伸した。

 バーグインベストの吉中晋吾代表取締役は「暗号資産の登場などで投資家の選択肢が多様化したことは、金相場を押し上げる力を弱める」とし、目先NY金相場は方向感の乏しい状態が続くと予想する。(了)
出典:時事通信社
本記事・画像・写真を無断で転載することを固く禁じます

コメント

タイトルとURLをコピーしました