2019/11/22 15:01
吉中晋吾・バーグインベスト代表=来週のニューヨーク原油(WTI)先物相場は、堅調地合いを維持しつつ、上値を狙う展開を見込む。中心限月2020年1月きりの予想レンジは、1バレル=55〜60ドル。
今週は、石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国の「OPECプラス」による協調減産が、来年半ばまで延長される公算が大きいとする報道にポジティブに反応した。
米中貿易協議に関しては、第1段階の合意への期待感から米国株が堅調だ。一方、合意が来年にずれ込むとの観測や、米議会が可決した香港人権法案にトランプ米大統領が署名する見通しとの報道もあり、強弱材料が入り交じっている。
これらを合わせて考えると、ファンダメンタルズ面では、来週も底堅い地合いを引き継ぐと予想される。
10月下旬からの上昇基調は、米国株高などが主な要因であり、新規の買いが押し上げたわけではない。ただ、投機筋は54.5ドル前後を分岐点にして巻き返しに動き、今はショートの買い戻しがいったん落ち着いたところ。ポジションとしてはニュートラルで、ひとまず様子見だ。
直近の当、先のさやを見ると、期近よりも期先が安くなっており、特に20年6月ごろまでは価格差の拡大傾向が顕著だ。これは市場が協調減産の延長を意識し、来年半ばごろまでは堅調に推移するとみて、当ぎりに近づくほど買いが集中しているとみることもできる。このように、全体的には足元の強さを示す要素が多いと考える。
12月のOPECプラスの会合がポジティブな結果になれば、62〜63ドルまで上昇するかもしれない。一方、市場予想通りであればネガティブと捉えられ、55〜60ドルのレンジ相場になるだろうが、底堅さは続くとみている。(了
出典:時事通信社
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