2021/08/20 14:08
◎〔週間見通し〕NY金、ジャクソンホール会合に注目=バーグインベスト・吉中氏
吉中晋吾・バーグインベスト代表取締役=来週のニューヨーク金相場は、米ワイオミング州で開かれるジャクソンホール会合をにらんだ動きとなりそうだ。中心限月の予想レンジは1オンス=1700~1900ドル。同会合では、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が経済見通しについての講演を予定しており、量的緩和策の縮小開始時期などに言及すれば、短期的には金相場は振れやすくなる可能性があるが、中長期では上向きのトレンドとみている。
今週の金相場は、好調な米雇用関連指標やFRB当局者のタカ派な発言が上値を抑える半面、中国やインドなど実需の買いが下値を支え、方向感は乏しかった。だが、米軍撤収後のアフガニスタンでは、イスラム主義組織タリバンが実権を掌握し、米国やドルの信認低下につながりかねない混乱が生じた。これは中長期的に金を下支えする要因だ。
加えて、銅をはじめとする商品相場の軟調さにも注目。銅は「ドクター・コッパー」とも呼ばれ、世界景気の先行指標とされる。史上最高値更新を続けてきた米国株も今週、ついに下げに転じた。FRBが「一時的」と指摘していた通り、物価の上振れにはピークアウト感が強まってきた。
リスクオフムードの中、金は他の資産から流出した資金の受け皿となりつつある。ジャクソンホール会合通過後には、1950ドル程度まで上昇する場面もあるだろう。(了)
出典:時事通信社
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