ボトム確認する局面

コモディティ・アナリシス

2024/01/30 09:29
◎〔アナリストの目〕WTI、70~80ドルレンジで推移=吉中晋吾氏
ニューヨーク原油(WTI)は、紅海情勢の緊迫化による供給懸念や、米国のインフレデ
ータの緩和などを手掛かりに底堅く推移している。
イエメンの親イラン武装組織フーシ派によるタンカー攻撃で中東情勢が緊迫化する中、
ロシアの複数の製油所がドローン攻撃を受け、市場は供給混乱を警戒し上伸した。また、米
国のインフレデータが緩和し、直近の米原油在庫が予想を上回る約920万バレルの減少
となったことから投機筋のポジションの巻き戻しも加速した。
現状、紅海航行の安全を巡る懸念と、米国の底堅いファンダメンタルズがボトムを支える
構図となっている。
当面、70~80ドルのレンジで底堅く推移することを予想する。
◇投機筋は買い戻し
米商品先物取引委員会(CFTC)の投機ポジション(以下オプション含む)に関して、
昨年11月以降、しばし様子見状態にあったマネージドマネーは、紅海航行の安全を巡る懸
念を嫌い買い戻しに動いた。ロング増の大半はリスク回避の買い戻しであるが、一部は新規
ロングとなっており、これらは、予想を上回る米経済成長と値頃感を手掛かりにしたものと
推察する。またトレーダーの推移を確認すると、平均72.5ドルの水準で買方増・売方減
の傾向が続いており、同水準における投機筋の方向性の一致も確認できる。
◇ボトム確認する局面
中東情勢が緊迫化し、紅海通航を避けるタンカーが増加し始めた1月16日あたりから
先物市場におけるスプレッドも逆ざやの傾向を強めている。昨年9月から続いた下落相場
も一服し、改めてボトムを確認する局面にある。一方、先物曲線の水準自体は緊張も緩和も
ないニュートラルな状態にあり、当面、これまで通り、70~80ドルが適正レンジとして
機能するものと推測する。(了)
※吉中 晋吾(よしなか・しんご)氏 バーグインベスト代表
https://burginvest.co.jp/
【無断転載をお断りします。時事通信社】
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