〔NY金分析情報〕2000ドル付近でもちあい=原油相場の動向を注視

コモディティ・アナリシス

2023/4/5 10:27
ニューヨーク金先物相場は節目の2000ドル付近でもちあい。日本時間4日午前10時25分現在、中心限月6月きりは1オンス=1998.40ドルと、3日の清算値(2000.40ドル)と同水準での出合い。3月20日以降固め切れずにいた2000ドルの節目を清算値で上回ったことから、市場ムードは強気に傾きつつあるようだ。市場関係者はきっかけとなった原油市場の動向を注視している。

 アジア時間の3日早朝に、石油輸出国機構(OPEC)にロシアなどの産油国を加えた「OPECプラス」が自主的な追加減産を発表したことを受けて原油相場が跳ね上がると、金は当初、米金融当局のインフレ抑制を警戒した売りに軟化。ただ、欧州市場に入ると対ユーロでのドル安を眺めて切り返し、一時2008ドルまで上伸した。3月の米サプライ管理協会(ISM)製造業購買担当者景況指数(PMI)が2020年5月以来約3年ぶりの水準に低下し、米長期金利が低下したことも支援材料となった。

 バーグインベストの吉中晋吾代表は、今回のOPECプラスの追加減産の影響について「サウジアラビアをはじめ、産油国に対する米国のコントロールが効いていない印象を与える」と指摘。影響は一過性にとどまらず、ドルが下落する中、金価格の底上げが促される可能性があるとみている。吉中氏は「米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ抑制のために利上げ姿勢を強めたとしても、金の下げは限定的。むしろ、インフレ警戒から押し目は買い拾われるのではないか」と予想している。(了)
出典:時事通信社
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