2025/07/29 09:55
◎〔アナリストの目〕WTI、60~70ドルのレンジ相場に=吉中晋吾氏
ニューヨーク原油(WTI)は、米原油在庫の予想以上の減少などを手掛かりに底堅い値動きを展開している。 米エネルギー情報局(EIA)が発表した最新の週間在庫統計によると、原油在庫は前週比320万バレル減の4億1900万バレルで、アナリスト予想(140万~160万バレル減)よりも大幅な落ち込みとなった。WTIは、原油在庫と市場価格の平均回帰をベースとした需給ファンダメンタルズの割安感を背景に、60ドル付近ではサポートのセンチメントが醸成される傾向にある。 足元、60~70ドルのレンジで推移するものと予想する。
◇投機勢は巻き戻し 米商品先物取引委員会(CFTC)の投機ポジション(以下オプション含む)は、これまで足並みをそろえていたネット建玉とトレーダーが、直近では異なる動きを見せている。いわゆるアンワインドの調整である。関税に起因する6月中旬の売りに対する純粋な買い戻しもあれば、一時的な巻き戻しを期待する打診買い、また他リスク資産への資金移動に伴う見切り売りなどが交錯している。また、金融市場におけるリスクオンの地合いを受け、トレンド形成の見込みの薄い原油市場から資金を引き揚げていることが、足元の取組高減の推移からも確認できる。
長期先物曲線は、5月下旬あたりにコンタンゴからバックワーデーションへシフトしており、現状、ベーシス(先物の期近と期先の限月間における価格差)の水準に過熱感は見られない。今後もレンジ調整が続くことを示唆しており、先物曲線が安定している限りはレンジ内での規律的な値動きが想定される。ダウンサイドに関して、油種間スプレッドでWTIに割安感が生まれるタイミング、また、バックワーデーションの拡大に伴うローテーション戦略がテクニカル的な打診買いの動機になるものと考える。(了)
※吉中 晋吾(よしなか・しんご)氏 バーグインベスト代表 https://burginvest.co.jp/ 【無断転載をお断りします。時事通信社】 [/20250729CCC0032]



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