〔NY金分析情報〕堅調=半月ぶり高値水準

コモディティ・アナリシス

2022年 10月4日

カテゴリー: 代表者寄稿記事, 週間見通し
ニューヨーク金先物相場は堅調。日本時間4日午前10時30分現在、中心限月の12月きりは1オンス=1705ドル台と、3日の清算値(1702ドル)を上回る水準での出合い。アジア時間に入って一時1711.60ドルと、9月14日以来、約半月ぶりの高値まで水準を切り上げた。米長期金利の低下やドル安を受けた前日の強地合いを引き継ぎ、買い戻しが優勢となっている。

クワーテング英財務相は3日、トラス政権の掲げる減税案のうち、所得税の最高税率引き下げ案を撤回すると発表した。この結果、英国債につれて米国債も買い戻され、長期金利の指標である米10年債利回りは低下した。外国為替市場ではドル安が進み、金相場を押し上げた。9月の米サプライ管理協会(ISM)製造業購買担当者景況指数が弱い結果となり、米連邦準備制度理事会(FRB)の大幅利上げ継続観測が一時的に後退したことも、金の買い材料となった。

節目の1700ドルを回復し、チャート上は9月末までの下値トライの動きは一服した形となっている。ただ、バーグインベストの吉中晋吾代表は、週初からの市場の振れ幅が大きくなった原因を「10月に入り、ファンドがポジション調整を進めている影響が大きい」と指摘。FRBのタカ派姿勢に変化がない限り、こうした米金利低下やドル安は一過性のもので、NY金も「せいぜい上値は1750ドル程度まで。再び1600ドルに向けた下落が再開する可能性が高い」とみている。(了)
出典:時事通信社
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