トレーダーたちが好むレンジ相場

コモディティ・アナリシス

2025/01/28 09:34

◎〔アナリストの目〕WTI、70~80ドルの調整相場に=吉中晋吾氏

ニューヨーク原油(WTI)は、世界的な石油需要の低迷と、緊迫化するウクライナ情勢による供給混乱のリスクを背景にタイトな値動きが続いていた昨年末までの強気相場も一服、足元、右往左往のトランプ相場を嫌い緩やかな右下がりの調整相場にシフトした。 トランプ米大統領は20日、エネルギーに関する国家非常事態を宣言する大統領令に署名すると表明し、24日には、石油輸出国機構(OPEC)に対し原油価格を引き下げるよう求めたことから、市場では、エネルギー価格の低減、またウクライナでの戦争終結につながるとの思惑からプレーヤーの売りの流れが形成された。 また、米金融大手シティグループは、地政学的リスクを理由に2025年原油価格予想を上方修正したものの、年後半はトランプ相場の影響で軟化する可能性を指摘しており、市場では、年度内の上値の重さを指摘する向きもある。 足元、70~80ドルの調整相場が続くものと予測する。

◇投機勢、トランプ相場から距離置く 米商品先物取引委員会(CFTC)の投機ポジション(以下オプション含む)は、上記流れを嫌い、マネージドマネーのポジションを中心に売りが加速している。昨年12月24日付のアナリストの目では、米国のロシアやイランへの制裁強化などを背景にファンドの買いポジションの積み増しが過去1年余りで最大となったものの、参加者のセンチメントを示すトレーダーは、買方は減少しており、「ファンド」の中でも動きに温度差があることを指摘した。結果として、トレーダーは先行的に相場の方向性を示していたことが確認できる。 直近データにおけるトレーダーとポジション動向に関しては、ミックス状態で右往左往のトランプ相場から距離を置いた温度感となっている。

先物市場における先物曲線、スプレッドも落ち着いた状態にあり、昨年末から続いた上昇相場の反転を眺め、曲線もピークオフから段階的な右下がりで推移している。逆ざやは維持した状態に変わりないが、異常値や過熱感はない。 対ブレント、オマーンなど油種間のインターコモディティーの動向に関しても大きな変動はなく、石油トレーダーたちが好むレンジ相場が続いている。(了)

※吉中 晋吾(よしなか・しんご)氏 バーグインベスト代表 https://burginvest.co.jp/ 【無断転載をお断りします。時事通信社】 [/20250128CCC0033]

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