◎〔NY金分析情報〕金、弱含み=ETF残高は一段と減少

コモディティ・アナリシス

2020/11/19 10:48
◎〔NY金分析情報〕金、弱含み=ETF残高は一段と減少
 ニューヨーク金先物相場は弱含み。日本時間19日午前10時半現在、中心限月12月きりは1オンス=1868ドル近辺の出合い。前日のJPX市場の終了時点(1875.50ドル)、清算値(1873.90ドル)を下回っている。新型コロナウイルスのワクチン開発への期待感が高まり、株式市場や非鉄金属、さらには暗号資産(仮想通貨)のビットコインまでが上昇する中、値動きの乏しい金相場に対する投資家の関心は薄れているようだ。市場関係者は、金の上値は重いとみている。
 金投資への関心低下は、世界最大の金ETF(上場投資信託)、SPDRゴールド・トラストの保有高をみても明らかだ。18日時点は1219トンで、直近ピークの9月下旬(1278.82トン)から60トン近く減少した。
 バーグインベストの吉中晋吾代表は「株式や非鉄金属が上昇する中、動かない金マーケットに資金を置いていても意味がない。金鉱山株に投資した方がまだましだ」と指摘。同じ貴金属では、金よりも景気回復の恩恵を受けやすい白金の上昇が目立っており、「白金は産業用素材として物色されやすい」と話す。
 半面、1850ドル付近では、中国やインドなど実需関連の買いが入るため、下値はサポートされている。テクニカル分析上も、今年3月の年初来安値1450.90ドルから、9月の高値2089.20ドルまでの上げ幅(640ドル)に対し、フィボナッチ・リトレースメントの38.2%押しが1845ドル付近に控えており、下値支持として意識されやすいようだ。
 今後の金相場について、吉中氏は「本来の『(分散投資の対象として)保有する』という目的であれば話は別だが、強材料が見当たらない以上、値上がり益狙いの買いは入れにくい」と観測している。(了)
出典:時事通信社
本記事・画像・写真を無断で転載することを固く禁じます

コメント

タイトルとURLをコピーしました