◎〔週間見通し〕NY金、法定通貨の信認が揺らぐ

コモディティ・アナリシス

◎〔週間見通し〕NY金、年末控え振れやすい=バーグインベスト・吉中氏
2020/12/11 11:30
 吉中晋吾・バーグインベスト代表=来週のニューヨーク金先物相場は、年末を控えたポジション調整の中、欧米の金融や財政関連のイベントをにらんで、上下に振れやすいだろう。予想レンジは1オンス=1750〜1950ドル。
 大局的には、新型コロナウイルスの感染拡大による超金融緩和や、財政赤字の拡大を背景に、法定通貨の信認が揺らいでいる。金は資金の受け皿となり得るのか、投資家に試されている段階と言える。
 11月以降のNY金の動きを振り返ると、上旬に1950ドルを上抜いた直後、ワクチンの実用化観測で急落したが、1750ドル付近では支えられ、月末からは上昇に転じた。8月上旬の史上最高値2089.20ドルから200ドル以上下げたこともあり、保有対象として再評価する動きが出始めたとみるべきだろう。
 来週は15、16日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が予定されている。米議会では、追加経済対策をめぐる与野党協議があり、1週間延長された連邦政府の暫定予算も18日に期限を迎える。
 欧州では英国と欧州連合(EU)の自由貿易協定(FTA)が難航している。どれも金相場の大局的な方向性を決定付けるほどの材料ではないが、ドル指数はこれらの材料で振れやすく、金も年末にかけては振れ幅が大きくなる可能性が高いとみている。(了)

出典:時事通信社
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